早乙女あこについて その1

「早乙女あこ」というキャラクターが抱えた悲哀は余りにも非常だ。

彼女が初めて登場したのは、第6話であり意外にも最初期から登場している。

その第6話から見て取れるあこというキャラクターは、今までのアイカツには居なかった「好きな男の子がいる」という女児アニメにはよく居た恋する乙女ポジションであった。

これは従来のアイカツという世界観には新しく、改めて新シリーズが始まったのだなと思わせる新鮮さがあった。(あおい姐さんにも初恋がどうのと言う回があるが一度切りなのでカウントしない事にする)

そんな彼女は恋愛敵になると感じた虹野ゆめに対して、敵意むき出しで噛み付くのだがそれがまた可愛いらしさを表現出来ていたのです。

そして猫属性というコミカルさも備え、場を賑やかせていく良い存在になっていくのだと期待せざるを得なかった。 

しかし、しかしだ。確かに作中を通して考えると彼女が一番、場を賑やかせるキャラだったであろう。作画にも恵まれ、ワチャワチャと動く様は非常にアニメ映えしたはずだ。

ポテンシャルで言えば前作のユリカ様に匹敵する程の彼女が何故、此れ程迄に悲愴感を秘めたアイドルになってしまったのか。

 

第一の悲運としては、なんと初登場が6話だと言うのに個人回を貰ったのは17話ときた。

(因みに香澄真昼は8話初登場で個人回は14話、これも実際遅いと思うのだが)

17話に至るまでのあこは、なんか目立つ奴がいる具合で目立つモブと言っても過言でないレベルの存在だった。

 そんな彼女に訪れた個人回の内容を簡単に紹介すると「大好きな結城すばるに夢中になりアイドルとしての仕事を完全放棄したが、吉良かなたからの助言により過ちに気づき反省する」という回だ。この回の内容については賛否両論あるが、後々の回を考えるとこの内容は彼女の成長に大きな影響を与えているので個人的には良しとする。 

では何故、この回が悲運なのかというと前述で仄めかす通りに個人回までの期間が空きすぎてしまった事にある。

まず個人回とはどういった理由で存在するのかと言うと、やはり視聴者にキャラクターの性格や感情を知って貰う単純な理由だ。これが新キャラと来たら尚更。

そんな中彼女が与えた空白は、新キャラに活気づいた視聴者のボルテージを冷ますには充分すぎた。

そして、この17話では料理バトルなる物が有るのだが…この時コンビを組んだ「七倉小春」の存在が彼女の悲運を更に加速させる原因になってしまう。

 

第2の悲運、「劇場版アイカツスターズ」の存在。これは早乙女あこに限らず、アイカツスターズというTVアニメに対しても、大きな呪いとして残るとんでも無い代物になってしまったのは言うまでも無い。

劇場版を一言で表すなら、まず間違いなく傑作だろうと思う、友情故の衝突を1時間にまとめた綿田監督による素晴らしい作品だ。                

そんな劇中、あこと小春は再びコンビを組みアドカツ(アドベンチャー活動)と称して、伝説のドレスを探すというちょっとした冒険をするシーンが箸休めの如く挿入される。

この二人のやりとりを見た人は、間違いなく二人を親友と呼ぶだろうし、私も勿論そう感じた。今後の本編でもこのコンビのやり取りが始まるのだろうと何の疑いもなく極自然に考えていた。

しかし、この期待を驚くまでに裏切るのがアイカツスターズというアニメの醍醐味だ。

何とこの二人、この後は何のやりとりもなしなのだ。は?アドカツってなんだったの?と己が目を疑う馬鹿馬鹿しい自体にまで発展してしまう始末。挙げ句の果てには、2期の布石として小春は退場してしまう。

せっかく獲得した親友さえ、奪われてしまう早乙女あこが悲哀でなくて何だというのか…しかし彼女の悲哀はこれには飽き足らず益々加速していくのであった。  

 

続く